庭に穴を掘り, 掘り出した土で小山を作るとする.
こうして, 山が 2つ, 穴が 3つあったとする. 「山 1つ分足りない」と気になる人は, 隣の家の庭に一山差し上げたとか思ってほしい.
山 2つを +2(プラス2), 穴 3つを -3(マイナス3)ということにする.もし, 山 2つで穴を埋めると, まだ, 穴 1つ(-1)残る. 図で描くと,
と を合わせると
このことを,
たす | ||
(+2) | + | (−3)=−1 |
次に引き算を考える.
ひく | ||
(+5) | − | (+3)=+2 |
さて, 次は, マイナスの数を引く計算.
(-1)-(-1)
をどう考えるか?
穴と山の話しで言うと, から を取り去るとどうなるか ? あっさりになると考える人もあるだろうが, 一体, 何も無い穴から, 何も無い穴を取り去るとは実際にはどういうことか ? 私にはリアルには想像しにくい.
そこで, 準備として, (+1)-(+1) のお話しを考えておく. から を取り去るのだから, 結果は当然 で 0となる.
ところで,「取り去った1山」はどうなったのだろう. かりにお隣の家の庭に差し上げたと考えておこう. つまり,
自分の庭の から を取り去ると, 自分の庭は, 隣の庭は となる. 取り去ったものは, どこかにあるはずなのだ.
これをヒントに, (-1)-(-1)についても考えよう. から を取り去るのだが, 取り去ったという穴は, 自分の庭には無くなっても, どこかにあるはずだ. 取られた穴が隣の庭に現れたと考えよう. どういうことかというと, 実際の作業としては, 隣の庭に穴を掘ってその土を, 自分の庭の穴に埋めたのである. こうすると確かに, 自分の庭からは が消えてになり, 隣の庭にはが現れるから, 「1穴が取り去られた(穴が隣の庭に行った)」と言えないだろうか ?
こうして「穴を取り去る」ということは「穴を土で埋める」ことだと言えそうだ. これを数で言えば「-1を引く」ことは「+1をたす」ことと同じ, となる.
この後, 順序としては正負の数のかけざんの「穴掘り理論」となるが, これは少々説明が苦しくなるので, 書くのは遠慮しておく. 正負の計算の説明には, 昔から知られた良い説明がいろいろあるので, WEBや本で探していただきたい. 穴掘り理論は他で見かけないので,書いた.