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これらの石鹸膜の形に共通することは, 「与えられた条件の下で, 膜の面積ができるだけ小さくなるように膜が張る」ということである。針金, 指, 糸, 板, 棒などを使って石鹸膜を張らせると, さまざまな形ができるが, いずれも, それぞれの条件下で膜面積極小になる。また, このような面積極小の造形や, メカニズムは違うかもしれないが膜造形となぜか似ている形は, 自然界, 人工物を問わず多く, アート作品としての造形にもきわめて刺激される点が多い。そうした観点から, 以下に石鹸膜の各種造形から若干を挙げる。
参考。長さ一定のひも 1本で土地を囲み, できるだけ大きい面積を囲むにはひもをどんな形にするとよいか ?(シュタイナーのちょうつがいによる証明)
(カルタゴを作った女王ディドの話。中世ヨーロッパの城壁都市の形。)
Callimitra のスケッチと写真
Callimitra
Callimitra carolothae
Callimitra
Callimitra
次のは, 放散虫の研究でも知られるエルンスト ヘッケル(1834-1919)の生物画。Kunstformen der Natur (1899-1904)
次のは, Scott Draves氏による, ヘッケルの絵を元にした作品らしい。これらの絵はヘッケルについてのこのページによると放散虫類らしい。この方面は不案内で「らしい」が多くごめんなさい。
3つの都市の間を石油の輸送ラインで結びたい。工事費を最小にするため, ラインの長さの合計を最小にしたい。ラインをどんな形にするとよいか ?上記の問題に, 平行板の石鹸膜で答えを探せる。
もっとたくさんの都市ならどうか ?
(シュタイナー問題)
参考文献 次の本は石鹸膜造形に限らず極小問題について扱っているが, 美しい絵や写真が多く大変親しみやすく, 数学や物理の内容についてもできるだけ入っていきやすい文章で質の高い内容を紹介している。
ヒルデブラント, トロンバ著「形の法則」東京化学同人