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(2009年7月.注) 以下の簡単なレポートは, 1, 2, 3, ・・・・ などの数に結びついたイメージや色や形について10年ほど前に書いた文章です。書いた後何年かしてから, この方面の事柄をもっと強烈な形で示す「共感覚」という現象について本で知りました。「共感覚」とは, ある種の人は生まれつき, たとえば, 「文字を見る」ときに同時に「色を感じる」というように, 通常は連動しない複数の感覚が連動して生じる現象です。共感覚については, 近年, 何冊もの本が出されていますので, 興味ある方は調べてください。
さて, 以下のレポートに現れる例には, 共感覚と呼ぶべき現象は無かったと思います。しかし, はっきり共感覚と呼ばれるような感受性が無い多数派の人たちにも, 通常の「数」の意味をはるかに越えた広がりのあるイメージが生み出される, そのような例の紹介として残しておくことにします。
(1999年11月記)
5, 6年前だったか, ある集まりで, 数学に関係することで気になることがあれば言ってほしいと聞いたところ, 当時20歳 ? くらいの男の子が,「世の中には 3 という数が目立つ. なぜか ?」と言った. 私はこういう質問が大好きである. ことわざや映画の題名とか思い浮かべても, 2 ゃ 4 よりも 3 が目立つし人気があるように思う.
その後いろんな人にこの話しをするうちに, 3年前頃, 当時16, 17 ? の女の子が「数にはそれぞれ色がある. 1は白, 2は黄色, 3は緑, .....(そのとき言ったとおりの色はメモが見つからずわからない)」とかバンバン言い出し大いにおもしろくなってきた. 数の色がどんどん出てくるなんて少し変な子と思うかもしれないが, そうではない. 私たちは日頃, 数を番号づけや計算の道具としか見ない習慣があるが, 実は数にも, 豊かなイメージがまとわりついている. 近代以前の人々が 1, 2, 3, ....という数に情感をともなった象徴的意味を認めていた証拠はたくさんある. 数を計算のための数としか思えないという現代人の方が変わっていると言ってもよいくらいなのだ.
1997年5月14日と15日に, 2ヵ所の集まりで計14人(10代の人が多め)を対象に「1, 2, 3, ..., 奇数, 偶数などからイメージされる色, 形, 言葉などを画用紙に文字や絵で自由に表現する」ということをしてもらった. そのときの記録の一部を紹介する.
Hさん(当時16くらい ? 女).もとの表現は絵つきの短文.
1といえば宇宙, もののはじまり(字は黒.)A君(17,18才.男).1はアメリカ, 3は日本, 4はフランス,5はドイツ, 8はフランス...と国シリーズで文章も長い.たとえば,
2といえば水(青で水滴の絵)
3といえば卵(黄色で卵の絵)
5といえば(ここまで青字)お祭りマンボ(茶の字)
7といえば調和のとれた世界(多色で木と池の絵)
8といえば(ここまで黄の字)おどっている人(ピンク, おどっている人の絵もピンク)
9といえば宇宙人(灰色で目の大きい宇宙人の絵)
偶数---おっとりした人, まぬけな人
奇数---意志の強い人, がんこな人
「4」イメージは明るく楽しく陽気なオレンジ!!. 国はイタリア!!.フランスと同様アートの国ですが明るい人が多いんです!!.そしてフランスより絵の色彩デザインも自由自在!!.でも実用という言葉とはほとんど無エンのようでスリ, たかりなど平気で見過ごしたり, 鉄道ですら平気でタイヤをヤブります......といった調子.
1. まるに近い ふんわりした円の中にいる すっかりおさまっていてだれにも知られている だれからも 気づかれていない画用紙の表面. はじめてなにかぬろうとする 直前で きんちょうした先生の生徒のざわめきと用具のにおいの中で たったひとり 筆の重さをかんじながら いったいなにを 指に期待し 不安を意識の外ヘつれ出そうとしながら どんどん どんどん近づいたりとおく離れたりをくり返しながらあまり音がしなくなって水の中にもぐっている時のようになりそうないっしゅんの直前の色. それが1のしろといったぐあいに2,4,5...も語り続ける.
しかし, 今は, 他人の表現したイメージをこれ以上読んだり解釈したりするのはやめておく. それよりも, 興味をもたれた人に, まず, あなた自身の数のイメージを探ってはいかがかと思うからです.もしよろしければE-Mailで書いて送ってください.
あらためて実験課題を記す.
<<実験課題>>「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 偶数, 奇数, その他あなたの気になる数, から, いくつでもよいから選んで, それぞれからイメージされる色, 形, 言葉などを自由に表現する. ただし, たとえば, "2"ならば"2"という「数字の形」から来るイメージは避けてほしい. "2"という数字の形ではなく"2"が表す「数」そのもののイメージを表現してほしい. 」