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球の積み木

このページ内の項目へのリンク この工作の特徴 / もう少しくわしく / 関連ある造形
ステレオ写真 交差法ステレオ写真の見かた

紙粘土をちぎって両手のひらでなでて直径1.5cmくらいの球を90個作り, 接着剤でくっつけて作った。

この工作の特徴。

球のつなげ方は一定規則に従っているが, 球の大きさや球配置の仕方などでは, ものさしや分度器や数値計算など一切使っていない。球は手でこね回して「見た感じで」丸くし,どれも同じくらいの大きさにし,また, つなげてゆく際は, 隣り合う球が接するとき自然にできる形をつないでゆく。つまり,一定規則と「視覚と触覚の判断」だけで形を生み出してゆく。


もう少しくわしく。

(1) 球のユニットの形を決める。

球を1個ずつ接着しようとすると, 1個ごとに接着剤をつけてから不安定な形を両手で押さえて数分待つことになり大変すぎる。それで, 球何個かで作りやすい形のユニットを作り, そのユニット同士をつなげる方がはるかに作りやすい。
を見ると, 球 2個より 3個, 3個より 4個の形の方が, 1個あたりの接着箇所が多いので接着しやすいし, 出来上がった後も壊れにくい。特に, 4個の形(四面体)は, 3角形(これ自体安定な形)が4組つながった形で変形しにくく, 放り投げても壊れないだろう。
でも, それぞれ, 右の方が変形しにくい形である。
このように, 球を集めてできる形のなかでも, 安定した形とそうでない形がある。

次に, 安定した形の中から, 私が作ってみたいイメージをめざして, ほどほどに湾曲した形をユニットに選んだ。

(2) ユニットのつなげ方。1ユニットを中央にして 両側に 2個を, 凹凸で波打つようにつなげて, とした。ここでも, ユニット同士の接着箇所が多くて接着しやすい形で決めている。
次に, この3ユニットの両端の2ユニットをそれぞれ中央として, 前と同じつなげ方で, ユニットをつなぐと (合計7ユニット)
さらに, この7ユニットで端にある 4ユニットに同様にユニットをつなげてゆくと, 一番上の写真の形となる。(合計15ユニット。球90個)

関連のある造形

作りながら, これは分子模型に似ていると思えて, WEBで検索してみた。1例だけリンクしておく。
モル・タロウで作る分子模型
分子構造は原子の性質に基づいてできややすい形に決まっていくのだろうから, 紙粘土の球からできやすい形でユニットやユニットのつながりができてゆくのと似ている。だから, 上の工作が分子模型と似てくるのはもっともなことだろう。

次のは, 接する球の作る造形作品。これは分子模型ではなく, 数学で知られた各種曲面を目指した造形だと思う。
堀部和経 接する内球と外球
Ball Structure Series "Ande-Meena"

(2008年3月記す)