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「ネコ 1匹ともう一匹のネコをあわせて 2匹」とは言うが, 「ネコ 1匹と金魚一匹をあわせて 2匹」とは言いにくい. 2, 3, 4, ・・・・ という数は, 同じものが, くりかえし現れるときに使うのがピッタリしており, ネコと金魚のように違うものの集まりにはピッタリこない.
だから, ネコも金魚も生き物であることでは同じだと考える人は, 「ネコ 1匹と金魚一匹をあわせて 2匹」と言うかもしれない. 逆に, 同じに見えるものでも違いが意識されると 2 と言いにくくなる. 以前こんなことをいう人がいた. 「自分と(たまたま横にいた)この人は, 他の人から見れば 2人だろうが, 自分にとっては, あくまで自分と彼だ.」つまり, 自分であることと自分ではない彼ということの異質性ゆえに, 2人とくくられることに抵抗感がある, ということだろう.
2, 3, 4, ・・・・ という数は, もののあつまりの, 質における差異を無視して, あるいは, 同質性に注目して, 成立する.
【補】同質性にもとずく数の他に, 対概念(上下, 男女など)にともなう 2のような, 異質性にともなう数もあるが, これについては, 二の生誕をごらんください。
現代英語の単数複数は, 1と2以上との区別に対応している. 犬が 1匹なら"a dog", 犬という「同じものがくりかえし現れると」"dogs". 犬 1匹は, それだけで生き物の個体として堂々と存在する. 「ひとつ」という数さえいらない. そこへ他の犬が来ると, 犬という点で同じものがくりかえし現れる. ここで, 「ひとつではない」複数となる. こう考えると, 単数複数の区別は, 人間の数認識の最も基本的なところに対応しているように思われる. しかし, 現在, 単数複数をもつ言語の歴史を調べると, 古い時代には, 単数複数の他に両数(双数)という 2個専用の語形があった. 両数については後ろのページで触れるが, (1や3や4でない)2 という認識も, 人間にとって特に基本的であったと思われる. さらに, 日本語のように古くから単数複数などの区別がなかったらしい言語もある.