形遊びの top へ / Toppageヘ

馬の鞍

short space

【解説】

針金の単純な輪を折り曲げてから, シャボン液やディップ液につけると, "馬の鞍"のような形に膜が張ります.

"馬の鞍"はシャボン液やディップ液の膜が張る形の典型を示しています. 一般に, シャボン液やディップ液の膜は, その膜の小さい部分部分どうしが引っ張り合うので, 膜の面積をできるだけ小さくしようとします. その結果, 膜の一部分を見るとつねに, 次の2種の形のいずれかです.

  1. 平面.
  2. "馬の鞍"型. (面上のある方向にそってふくらみ別の方向にそってへこむ)

上の写真だけでなく, 膜の作る形をよく見るとつねに, この2種のどちらかです. 面上のどの方向に沿ってもふくらんだ面というのは膜の面積を大きくすることになるのでできないのです. というと, 誰でもおなじみのシャボン玉はまん丸くふくらんだ球ではないか ? と疑問に感じるでしょう. シャボン玉は膜が閉じて外部と内部ができますが, 内部の圧力が外部の圧力より大きいために, その圧力差に見合うふくらみによって形が安定するのです. (詳しい説明は参考情報に挙げた本などにあります) したがって, きちんと言うと, 膜の両側に圧力差がない場合, 上の2種の形になると言えます.

この程度の知識は, 針金で形を作るに際して, どんな形に膜が張るか見当をつけるのに役立つので書きました.

【データ】 作成および撮影 : 2000年11月