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きのう, 今日, あす(順序を表す言葉)

おとうさん, おかあさん → おじいちゃん, おばあちゃん → ひいおじいちゃん, ひいおばあちゃん → ひいひいおじいちゃん, ひいひいおばあちゃん → ・・・・・・ .

数でなくても, 順序を表す言葉はいろいろある.

子 → 孫 → ひ孫 → やしゃご → ・・・・

・・・・・・ ← さきおととい ← おととい ← きのう ← 今日 → あした → あさって → しあさって → ・・・・・

先 → 後

次 → 次の次 → ・・・・

これら順序を表す言葉は, 簡単な"計算"もできる. たとえば, 「おかあさんのおかあさんはおばあちゃん」は, 基準とする人から何代前かで言うと「1代前の 1代前は2代前」, もっと記号化すると 1+1=2 に相当する.3代以上前は, 1代ごとに「ひい」をつけていくだけというのもおもしろい. 「ひいおじいちゃん」は 2代前(おじいちゃん)のさらに1代前(ひい)を意味するから (2+1) みたいな式に対応しそうだ. ひいひいおじいちゃんは(2+1+1). 2をひとまとめにする(素朴二進法), 体の諸部分で数える方法で触れた, 1 と 2 しか使わない数詞体系と似ている。ひいひいおじいちゃん(2+1+1)は「おじいちゃんのおじいちゃん」(2+2)でもよいが, 「ひい」(1の追加)をくりかえすだけ. もう1代前は「ひいひいひいおじいちゃん」(2+1+1+1). この表現方法は, なにか回数を数えるのに 1本ずつ線を書いていくのと同じ。(石器時代の骨にも, ただの刻み目の列が残っていて, 何かの数量の記録と想像されている.)

「・・・・・・ ← きのう ← 今日 → あした → ・・・・・ 」で, 「今日」を 0 として, 「あした」を +1, 「きのう」を -1 などとしてみよう. 「あしたのあしたはあさって」は (+1)+(+1)=(+2), 「きのうのきのうはおととい」は (-1)+(-1)=(-2) に対応する. 正負の数のたしざんもできる ! では, 変な言い方になるが「きのうのあさってはあした」と考えると, (-1)+(+2)=(+1) に対応し, これもうまくいっている. この調子でかけざんも考えたくなるが, 普通の数のかけざん (-1)×(-1)=(+1) に対応するのは「きのう×きのう=あした」. これに意味を与えるのは無理っぽい.

また, いとこ, すなわち, 親の兄弟姉妹の子は, 上と同様には数で表せない. ・・・・・・, -2, -1, 0, 1, 2, 3, ・・・・・・ という数は, 1本のヒモのように並んだ構造をしているから, 枝分かれ構造の表現には適さない.